ここ最近ロードバイクのディスクブレーキ化が急激に進んできていますが、今までディスクブレーキに乗ったこと、触ったことない方はいろいろと不安な事が沢山… 私(篠原)は20年以上前からマウンテンバイクですが、ディスクブレーキは使用し、今ではもちろんロードバイクもディスクブレーキです。ディスクブレーキのメリット、デメリット、整備(メンテナンス)なども熟知しています。これから少しずつですがディスクブレーキについて説明していきたいと思います。
以前に書いたブログ「スポーツバイク、ディスクブレーキのすすめ!ホントに必要なの?」もわかりやすいと思うのでチェックしてください↓
今回はディスクブレーキのパッドについて説明していきたいと思います。
まずディスクパッドはキャリパーの種類によって、形が違うので使用しているブレーキキャリパーの品番などを確認しておきましょう。シマノだけでもマウンテンバイク、ロードバイク含めて25種類以上あり、もちろんメーカーが変わるとまた形も変わります。
また、シマノには同じ形をしていてもレジンパッド、メタルパッドと2種類あります。細かく言うとフィン付き、フィンなしもあるので全部で4種類ですが、さらにプレートの種類もあるので最大6種類!これだと多すぎて何を選べばいいかわからないですよね。フィンのことはまた後ほど説明します。
ロードバイクによく使われるパッド「L03A」フィン付きレジンパッド。商品のパッケージには「R」と記載されています。一番上の写真下がレジンで色がグレーぽいですね。
レジンとは主に有機系の材料を樹脂で固めたものになります。完成車についてくるパッドはほとんどがレジンになります。レジンの特徴はブレーキの効きがマイルドで「キー」と言う音鳴りが少ないです。価格もメタルに比べると安いのが特徴です。
こちらがメタルパッドの「L04C」。パッケージには「M」と記載されています。一番上の写真上にあるのがメタルパッド、レジンに比べるとキラキラ金色に輝いているのがわかります。
メタルは主に金属系の材料を焼結させた合金になるので、金属色しています。メタルの特徴としては制動力はレジンに比べると高いです。ローターとパッドが金属同士になるので「ガツン」と効きます。雨の日などでもレジンに比べると水分を吸収するのが少ないので、メタルは制動力の低下はほとんどありません。あと、ヒルクライム後の下りなどの長時間のブレーキングでもフェードしにくいです(フェードは簡単に言うとパッドに熱を持つとブレーキが効かなくなる現象)。パッドの価格はレジンに比べると高価になります。さらにブレーキローターもメタルパッド使用するとレジンに比べると減りが早いので、ランニングコストもかかりますね。
シマノのディスクブレーキパッドの特性チャートを見て比較すると今説明した通りですね。音鳴りが気になる方、コストを抑えたい方はレジンパッド。あと、メタルだと「ガツン」と効くので、ディスクブレーキが初めての方は絶妙なスピードコントロールが難しいです。微妙なスピードコントロールを重要視する方もレジンがおすすめです。
メタルはとにかく制動力が高くなるので、長い時間の下り坂(ヒルクライム)を走る機会が多いヒルクライマーや距離10Km以上の通勤で雨の日でも毎日乗る方にもおすすめですね。握力がない女性もメタルパッドがいいと思います。制動力が高いとロングライドなどでもストレス、疲れも軽減されるので最後まで集中力が切れることがなくなるので楽しいサイクリング可能になってきます。このポイントもディスクブレーキのいいところですね。
ちなみに私はマウンテンバイクではメタルパッド、ロードバイクは気分次第(お金の問題?笑)で使い分けてます。どう言う効き方をするのか把握しているので、パッドの種類によってブレーキングを絶妙に調整しています。特にマウンテンバイクに乗るとブレーキの使い方が上手くなりますよ。ブレーキだけでなく体の使い方もかなり上手くなります。マウンテンバイクもぜひ乗ってください(笑)一応2020年もダウンヒルのエリートクラスでレース出場する予定です。気軽にご相談ください。
話がそれましたが…完成車にはほとんどレジンパッドが標準装備されているので、パッドが減って交換の時期にメタルパッドを一度試してみるのもいいと思います。
ただ、交換する場合一つ注意点があります。ディスクブレーキローターをよく見ると「RESIN PAD ONLY」と書いてある物もあるので注意。そのままですがこのディスクローターはレジンパッドしか使えません。メタルパッドに交換したい場合はディスクローターも一緒に交換が必要になります。よく確認しましょう。
次はフィン付きフィンなしの話。
左の黒いプレートがフィン付き。右側がフィンなしノーマルタイプ。シマノではこのフィンを「アルミ製ラジエーターフィン」と呼んでいます。ブレーキをかけ続けるとパッド、ローター、キャリパーが熱をもちかなり熱くなってしまいます。そうなると、先ほど話したようにフェード現象が起こり、ブレーキが効かなくなってしまうのです。その熱を少しでも冷やす役割をするのがこのフィン。
上の写真はフィン付き、フィンなしのパッドを重ねたもの。プレートの面積が倍以上違うのがわかります。このプレートの面積を増やすことにより、放熱性能を高め、パッドの長寿命化、ノイズの低減、そしてフェードの減少にもつながります。性能だけ見ると断然フィン付きなんですが、価格を比べるとフィンなしレジンが¥870(税抜)、フィン付きレジンが¥1,913(税抜)、フィン付きメタル¥2,795(税抜)。フィンなしレジンとにかく安い!!レジンでもブレーキの効きは通常のリムブレーキよりは圧倒的に優れているので、コストパフォーマンスが高いフィンなしレジンもありです。
ディスクブレーキパッドのプレートは通常スチール、フィン付きはアルミになりますがさらに高価なチタンプレートモデル(Ti)もシマノはあります。フィン付きはないんですがフィンなしでメタルTi(¥2,334税抜)、レジンTi(¥1,420税抜)とラインナップ。Ti製になると軽量、高剛性になるためカッチリとしたタッチになるそうです。私は使ったことないので実際はわからないですが、レース(ロード、クリテリウム、クロスカントリーマウンテンバイク)などでさらにシビアなブレーキングをする方にはいいと思います。
まとめですが、ロードバイク用ディスクブレーキパッドだけでも6種類。何を選んでいいかわからないのが現実、実際今何が付いているのかわからない方も多数いると思います。自転車の乗り方は人それぞれなので、困ったらトリップサイクルスタッフに相談してください。
今ではお店のディスクブレーキパッドの種類がリムブレーキより多いです。さらにこれから増えていくでしょう…